ルール
♠KとJの道理
♠
1
古い大樹の幹。
鍵のかかっていない扉を開くと、トランプの嵐が吹き荒れた。
紫と黒の市松模様の天井、壁、床はうねり、平衡感覚を狂わす。
歪んだ鏡のような世界。
その中を、
如樹 龍月は、慣れた様子で長い脚を運ぶ。
定例のこの会―――“Aのお茶会”。
ここには、帽子屋や三月ウサギ、ましてやネズミなどは居ない。
その代わり。
「六本木に世界多幸教。大変だったね。」
いつものチェシャ猫が出迎えた。その顔は、天井にある。
大変だった。という言葉に真実味はない。
樹の上から龍月を見下して、口角を上げた。
「
維薪が頑張ってくれました。」
報告すると、世界がぐるり。と、一回転した。
いつの間にか目の前に大きな円い白いテーブルが現れた。
3人の男が着席している。
龍月も所定の位置に腰下す。
龍月の椅子には、
Heartの
Aceが装飾されている。
左隣から時計回りに、
Diamond、
Club。
そして
Spade。
そのどれもがAce。
そこに座る男たちは、誰もがフォトリアルだ。最新最高技術の集約。
毎度の事だが感心させられる。
天井、壁、床。至る所にある鏡。
それに映る自分も自分の顔と相違ない。
このお茶会におけるお茶は、紅茶ではない。
各々が好む飲物を思い思いに飲み始める。
龍月も珈琲を口に運ぶ。右隣のSpadeのAceもおそらく珈琲。
左隣のDiamondのAceは、ロックグラスを片手に
葉巻を薫らせている。
グラスの中身は、おそらくバーボンだろう。綺麗な琥珀色だ。
正面、ClubのAceの持つショットグラスは、透明だった。
「いやぁ。ほんと、凄いよね、彼はぁ。」
呂律が少し怪しい。察するにウォッカだ。透明度の高い、最高級の。
ClubのAceは、陽気な笑顔を振りまきながら、彼―――維薪の事を褒める。
「自爆型ドローンに気づく勘といい、反射神経。さらに頭脳明晰ときた。年、ごまかしてなぁい?ホントに中学生なのぉ?」
いよいよ口調がおかしい。と、誰もが感じた瞬間。
再びチェシャ猫が現れて、テーブルのど真ん中に落ちてきた。
チャシャ猫は、宮廷道化師の鈴の付いた帽子をかぶっている。
紫と黒の縞模様の。
宮廷道化師とは、中世ヨーロッパに登場する道化師だ。
大族や貴族に仕え、ジョークや悪ふざけで周囲を楽しませる役割。
その反面。
大様や貴族の悪口、批判を口にできる特別な存在。
無敵―――切り札。つまり、
JOKERだ。
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イラスト公開
龍月&
♠K、Teddyと
♠J、Lee
イラスト二枚目は、2021年11月15日結成の
東京華雅會。
通称、
東華。の、ツートップ。
Teddyと
Lee。
プロットでのらくがきです。
A左:
江堂 都華咲(Teddy)、右:
浅我 俐士(Lee)
イラスト三枚目。
「東京華雅會」創設メンバー4人です。
一応、順番的には、
1、なゆた(ニャンタ)・
源剱(ケンケン)
2、
慶蔵(ハチ)
3、
玉満(タマ)
の順で東華に加入。
そこらへんの秘話は本編にて!……たぶんw。
つーか。あく強すぎメンバー4人(汗)です。
ニックネーム。遊んでるしか思えないな。と、誰かから突っ込みきそう。
ニックネームの由来もどっかで……きっとw。
乞うご期待!
B「東京華雅會」創設メンバー

2022.11.15